2025年3月
私が高校の時、化学を学んでいく中で、ここはまぁ、こういうモンだから。。で流した事が多くありました。
中でも、中和滴定曲線、がその最たるものでした。
「中和点付近では、劇的にpHが変化するので、pH曲線は鉛直になる」
先生がそうおっしゃった時、「なんで劇的に変化するんやねん」と思いました。
大人になって、教える側に回ると、それではいかんな、と思います。
ですので今日は、その理由を考えてみようと思います。
例えば0.1mol/LのHCLが1Lあります。
初めのpHは
NaOHを1L入れたところで、急激に中和が進む、どころかpHが発散してしまっています。。
pHは14までしか無い訳で、これは現実に反する結果です。
実際は水のイオン積なるものが存在し、摂氏25度で
と決まっており、
これは、水素イオン濃度と水酸化物イオン濃度の積は常に
あれ、無限に注いでもpHが13にしかならない感じです。そうです。これは、pH=13のNaOHを注いでいるので当たり前です。
この2本の曲線をpH=7となる点で繋いでみましょう。
いかがでしょうか。見事なpHジャンプを描くことができました。
この様なpHジャンプが起きる理由としては、対数の性質が挙げられます。
教科書を一歩深掘りすると、深遠な世界が広がっている様です。