学習・入試情報

2019年11月

到達度テストの試行テストについて


日々、大学入試改革が叫ばれ、大学入試の到達度テストはどんなテストになるのか、考えておりましたら、もう、webに試行版が上がってました。
コチラです
https://www.dnc.ac.jp/daigakunyugakukibousyagakuryokuhyoka_test/pre-test_h29_01.html


◎数学IAだけ大きく変更!?
物理、数学だけ見ましたが、逆に数学IA以外はそんなに変わらないですね。
その証拠と言う訳ではないですが、数学IAは70分と試験時間が伸びたのに、数学2Bと物理はそのまま60分です。
数学IAを解いた感想としては「現実世界に於ける、数学を感じる瞬間」がテーマになっている様に思います。
「公立の中高一貫校の適性検査」に近いです。
「太郎君&花子さん」が出て来て正弦定理について語り合います。
この流れで数学2Bを作るのは、それなりにしんどいですね。
数学はIA、2B、3と難しくなるほど、現実と乖離が激しくなり、現実世界に落とし込んだ問題が作りにくくなると思います。
いや、私の発想が及ばないだけで、logを用いた問題など、出題者はいくらでも出て来るのかもしれませんが・・・
これから模試も「現実世界に於ける数学を感じる瞬間」から出題されると思います。

数学IAから変更に着手し始め、世間の高校や予備校が早く試行版を上げてくれ、と言うのでとりあえず数学IAだけ作って、他は間に合ってない、と言う印象すら受けます。



◎数IA難化!
早速数学IAを当塾の生徒さんに解いてもらいましたが、「センター試験よりかなり難しかった」と言う声が漏れてきました。
証明が大きなウェイトを占め、暗記型数学からの脱却を感じます。
また、地頭検査に近く、IQが高い学生さんが高得点を取り、場当たり的な対策はし辛くなったと感じました。
以前の数学IAであれば「メネラウスの定理」「角の二等分線の性質」「方べきの定理」あたりをしっかりマスターしておけば、センター試験大五問(幾何)は高得点が狙えたのですが、これらの定理は今回の試行テストでは見当たりませんでした。
対策となると、もっと幾何の広範囲に及ぶかもしれません。
例えば、「トレミーの定理」「シムソンの定理」「フェルマー点」など。
現に今回はフェルマー点に関する問題が出題され、雰囲気では分りますが、何故そうなるかを厳密に考えると非常に難しい問題でした。


◎対策は?
例えば、ユークリッド幾何学の定理
に出て来る定理は全て証明できる、と言う人なら軽く満点が取れるのかもしれませんが、現実的ではありませんよね。
こうなってくると、対策としては、証明の論述が出来る様に、三平方の定理や、正弦定理などの証明の練習をしていくべきではないでしょうか。
どうせ本番では、知る由もない難しい定理が出されるのでしょうから、文章をしっかり読んで、その場でちゃんと理解し、以前以上に誘導に乗る事を心がけなければなりません。

また、国語か、と突っ込みたくなるほど、今回の数学IAの問題文は長いんですね。
ですから、普段から読書の習慣を身につけ、問題文を正確に把握できる様にならなければなりません。
当塾では最低限、月に一冊と言っています。

つまり対策としては、「読書」と「普段学校で使っている定理を全て証明できる様になる事」だと思っています。


◎まとめ
しかし、数学IAの問題は個人的には良問だった、と思います。
良かった点として、ユーグリッドの互除法の問題で、現実世界でも数学が活きている、と感じる事ができました。
また、小学校の校舎の階段を作る問題では、三角関数が出てきました。
今回の大学入試改革の数学のテーマとして「数学って役に立つんだよ」と言う方向に持っていきたいのだと思います。
実際に目一杯数学の恩恵に授かっている現代社会で生きている私たちなのだけど、なかなかそれを感じる事は難しいですよね。
入試問題でそれを感じる事ができたなら、素敵だと思います。